実施前に知っておくべき「サイト翻訳」の3つの方法や注意点
2024/11/28
自社サイトの多言語対応のため「サイト翻訳」を検討している方も多いのではないでしょうか。グローバル市場に向けて情報を発信するには、ターゲットとなる言語圏のユーザーが自分の言語でスムーズにアクセスできる環境を整えることが欠かせません。
サイト翻訳には様々な方法がありますが、代表的な方法は下記の3つです。
方法①自動翻訳ツール
方法②SaaS翻訳サービス
方法③翻訳サービス会社
それぞれの方法は、翻訳精度や翻訳スピード、また費用も異なるため、自社の目的やリソースに合った方法を選ぶことが重要です。
本記事では、最適な翻訳方法の検討のため、これら3つの方法について詳しく解説し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較します。また、翻訳前の準備や注意点などについても詳しく解説しますので、ウェブサイトの翻訳を検討している方はぜひご参考ください。
目次
ウェブサイトを翻訳するための3つの方法
ウェブサイトを多言語翻訳する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な3つの方法を紹介します。各方法の特徴などをまとめましたので、以下の比較表をご覧ください。
◆サイト翻訳の3つの方法の比較表
方法 | 特徴 | 費用感 | メリット | デメリット |
①自動翻訳ツール | Google翻訳などの無料または低価格のツールを使用して、機械的に翻訳を行う方法 | 無料~数千円程度(月額) | ・迅速な翻訳が可能 ・導入が容易 ・低コスト |
・翻訳精度に限界があり、誤訳の可能性もある ・専門用語やニュアンスの伝達が難しい |
②SaaS翻訳サービス | クラウドベースのサービスを利用し、ウェブサイトを多言語化する方法 | 数千円~数万円程度(月額) | ・高品質な翻訳が期待できる ・更新や管理が容易 ・SEO対策や解析機能など付加機能が充実 |
・自動翻訳ツールに比べて費用が高い ・初期設定やカスタマイズに時間がかかる場合がある |
③翻訳サービス会社 | プロの翻訳者や翻訳会社にウェブサイトの翻訳を依頼する方法 | 数千円~数万円(1ページあたり) | ・専門的で高精度な翻訳が可能 ・ニュアンスや文化的背景を考慮した翻訳 ・品質保証がある |
・費用が高い ・翻訳完了までに時間がかかる ・更新時に再度依頼が必要で、運用負担が増える |
①の自動翻訳ツールは導入が容易で手軽に利用できる反面、翻訳精度やニュアンスに課題があります。一方、②のSaaS翻訳サービスや③の翻訳サービス会社はコストがかかるものの、精度やカスタマイズ性の面で優れています。ウェブサイトの多言語対応は、目的や予算、求める品質に応じた選択が重要です。
それでは、各方法について詳しく解説していきます。
方法①「自動翻訳ツール」の活用
◆自動翻訳ツールの評価
・費用:低
・翻訳スピード:高
自動翻訳ツールは、迅速かつ低コストでサイトを翻訳するのに適した方法です。Google翻訳やDeepL、Microsoft Translatorなどが代表的なツールであり、翻訳APIを使用することで、ウェブサイトに直接組み込むことも可能です。
ただし、翻訳精度には限界があり、特に文化的なニュアンスや専門的な内容を正確に伝えるのは難しい場合があります。また、機械翻訳特有の直訳的な表現が発生することもあり、公式ウェブサイトやブランドイメージを重視する場面では翻訳内容を細かくチェックするなど、慎重な運用が求められます。
一方で、内部資料や非公式な用途であれば十分な精度を発揮し、手軽に利用できるのが大きな魅力です。
方法②「SaaS翻訳サービス」の活用
◆自動翻訳ツールの評価
・費用:中
・翻訳スピード:高
クラウドベースでウェブサイトを多言語化するソリューションを提供するSaaS翻訳サービスは、迅速かつシームレスに翻訳が反映されるのが特徴です。多くのサービスでは、サイトにタグを設置するだけで導入可能ですが、プラグインやAPI連携によって導入できるサービスもあります。
この方法は、自動翻訳をベースにしつつ、人力のレビューやローカライズを組み合わせるケースもあるため、一定の品質が期待できます。翻訳の管理や更新作業も効率化され、専用ダッシュボードで進行状況を簡単に確認できます。また、SEO対策や解析機能を活用できる点もメリットです。
初期費用や月額費用は自動翻訳ツールより高めですが、特に中小企業やスタートアップで多言語対応を本格的に進めたい場合に有力な選択肢となります。
方法③「翻訳サービス会社」へ依頼
◆自動翻訳ツールの評価
・費用:高
・翻訳スピード:低
翻訳業者に依頼する方法は、専門的な翻訳を必要とする場合に最適です。特に、専門用語が多い業界や文化的な背景を重視する場合など、熟練の翻訳者による対応が求められる場面において強みがあります。
さらに、品質保証や進行管理が含まれるため、大規模なウェブサイトの翻訳や複数言語の対応にも適しています。ただし、この方法はページ単価や文字単価で計算されることが多いため費用も高額になりやすく、更新のたびに依頼が必要になることもあり、頻繁な更新が必要な場合はコストと手間が増える点がデメリットです。
そのため、公式サイトの中でも「会社概要」「製品情報」など、特に正確さが求められるページに限定して利用するのが一般的です。
このように、翻訳方法はそれぞれのメリット・デメリットがあるため、「どのくらいの精度の翻訳」を「どの程度の範囲」で実施するかによって、使い分けることが重要です。
次に、ウェブサイトの翻訳を実施する前に準備しておくべきポイントについて解説します。
翻訳実施前の3つの準備
ウェブサイトの翻訳にあたっては、事前に以下の3点を実施しておくことで、スムーズで効率的な翻訳作業が可能になります。
準備①コンテンツの整理
翻訳作業を効率的に進めるには、まず翻訳対象のコンテンツを整理することが重要です。すべてのページを一度に翻訳するのが費用や時間の制約により難しい場合は、ターゲット市場やユーザーの関心が高いページを優先的に選定します。
例えば、トップページや製品情報、FAQなど、ユーザーの利用頻度が高いページに絞り込むことで、必要なリソースを効率的に配分できます。Google Analyticsなどのツールを活用することで、アクセス数や滞在時間のデータを基に影響力の高いコンテンツを特定できるため、効率的にコンテンツを整理することができます。
事前にコンテンツの整理を行うことで、必要なリソースを効果的に配分でき、翻訳コストを抑えるだけでなく成果を早期に出せる可能性が高まります。
準備②翻訳の優先度の設定
整理したコンテンツを基に、翻訳の優先順位を設定し、段階的に進める計画を立てることが重要です。段階的な翻訳計画としては、例えば以下のようなステップが考えられます。
◆段階的な翻訳計画の例
第二段階: ブログやニュースページなど、付加価値を提供するコンテンツを追加
第三段階: 必要に応じて、ターゲットの市場に特化した地域限定の情報やプロモーションページを翻訳
このように段階を設けることで、翻訳作業が効率的になり、重要なページを優先しながらプロジェクト全体を計画的に進めることができます。優先度設定の基準としては、ページの売上への寄与、ユーザーの利用頻度や関心度、ページ更新の頻度(頻繁に更新されるページは後回しにすることも考慮)などを基準にすると良いでしょう。
また、プロジェクト管理ツールを活用して進捗を管理することで、翻訳プロセスがスムーズに進むように工夫することも大切です。
準備③用語集やレギュレーションの用意
一貫性のある翻訳を実現するために、専門用語やブランド固有の表現を含む用語集を事前に作成し、翻訳者やサービス会社、あるいはツールがそれを参照できる環境を整えると同時に、書式や言葉遣いについてのレギュレーションやスタイルガイドを用意して、翻訳の品質基準を明確にします。
これらの準備が完了したら、実際に翻訳を実施していきますが、サイトの翻訳においてはいくつかの注意点がありますので、次に解説してまいります。
ウェブサイトの翻訳における5つの注意点
ウェブサイトの翻訳を実施する際には、ただ翻訳すれば良いわけではありません。各言語圏のユーザーがサイトを利用した際に、ユーザー体験を損なわないよう注意深く対応する必要があります。
ここでは、サイト翻訳を成功させるために押さえておきたい5つの重要な注意点を解説します。これらを事前に理解しておくことで、効果的な多言語対応を実現できます。
注意点①翻訳の品質を確保する
特に自動翻訳ツールのような機械翻訳を利用する場合は、翻訳の品質に注意が必要です。中でも、文化的な違いや専門用語が適切に翻訳されているかについては、ブランドイメージや信頼性に直結するため、慎重に精査することが重要です。
◆注意するポイント
・誤訳や直訳になっていないか
・文化的な違いに配慮されているか
先に紹介したいずれの翻訳方法を利用する場合にも、もし専門用語が多いサイトの場合は、用語集やレギュレーションを事前に準備し、翻訳精度を向上させる工夫が必要です。特に重要なページについてはネイティブスピーカーによる校正を行うことも重要です。
注意点②コンテンツ更新の管理
多言語対応サイトでは、元の言語で行われた更新が他の言語にも反映されているかをしっかり管理することが重要になります。更新が遅れると、ユーザーに誤解を与えたり信頼を損ねたりする可能性があります。
◆注意するポイント
・更新の頻度が高いコンテンツが適切に反映されているか
更新時の速やかな対応のために、コンテンツ更新時のワークフローを明確にし、漏れが発生しないようにする必要があります。また、3つの方法の中では、SaaS翻訳サービスであれば翻訳とコンテンツ更新を効率化する仕組みがあるため有用です。
注意点③レイアウトやUIの調整
言語ごとに異なるテキストの長さやフォントの違いが原因で、レイアウトが崩れることがあります。特に右から左に記述されるアラビア語やヘブライ語や、長文になりがちな日本語などは特別な配慮が必要です。
◆注意するポイント
・レスポンシブデザインが翻訳後も機能しているか
翻訳後には必ず全ページを目視でチェックし、デザインやレイアウトが正しく表示されているか確認することが不可欠です。
注意点④ローカライズ(現地化)の実施
翻訳だけではなく、翻訳言語圏の文化や習慣に合わせた調整が必要です。通貨や日付形式、度量衡(長さ・重さなどの単位)の違いなどが現地の仕様に合っていないと、ユーザーに混乱を与える可能性があります。
例えば、日本では「月/日/年」形式が一般的ですが、英語圏では「日/月/年」形式が一般的ですし、また使用する画像やアイコンが、別の国では文化的に適切でない場合もあります。
◆注意するポイント
・画像や動画の内容が文化的背景に配慮されているか
翻訳後のコンテンツをより自然で効果的なものにするため、翻訳プロセスの中でローカライズを同時に行い、可能であれば各地域の担当者やネイティブスピーカーに確認を依頼し、適切な調整がされていることを確認することが必要です。
注意点⑤SEOの言語設定
翻訳を実施したサイトでは、適切なSEO対策がなされていないと検索結果に表示されないことがあります。特にhreflang(エイチレフラング)タグの設定は、サイト訪問者に正しい言語ページを提供するために欠かせません。
◆注意するポイント
・各言語ごとに適切なキーワードが使われているか
hreflangは、ページがどの言語および地域をターゲットとしているかを検索エンジンに伝えることができるHTMLタグです。(例:英語版(米国向け)→ en-us、日本語版 → ja)
多言語サイトでは、同じ内容が異なる言語で掲載されることが多いため、重複コンテンツとして認識されるリスクがあります。これを回避するためにも、hreflangタグの設定は不可欠です。サイト翻訳後には、SEOツールを活用して各言語ページの設定を確認するようにしましょう。
ユニウェブで実現する迅速・高品質なサイト翻訳
弊社が提供するウェブアクセシビリティツール「ユニウェブ」は、すべてのウェブサイトに多様なアクセシビリティ機能を簡単に実装することができ、これにより、身体的・年齢的条件に関わらず、すべてのユーザーが等しくウェブサイトを利用できる環境を提供することが可能になります。
ユニウェブは、アクセシビリティ機能のひとつとして「多言語AI翻訳機能」を搭載しており、すべてのウェブサイトにおいて、高品質で効率的なサイト翻訳を実現します。ユニウェブの多言語AI翻訳機能の特徴は下記の3点です。
◆ユニウェブの「多言語AI翻訳機能」の特徴
サイトにタグを1行挿入するだけで、サイトの翻訳が迅速に完了。追加の作業を最小限に抑えつつ、翻訳結果を即時反映できます。
2.翻訳後の管理が容易
サイト更新時に自動で翻訳内容が同期されるため、運用負担が大幅に軽減されます。また、翻訳結果を編集して、より適切な表現やニュアンスに調整することも可能です。
3.コストパフォーマンスの向上
従来の翻訳業者に依頼するよりもコストを抑えつつ、SaaS翻訳サービスと同等以上の運用効率を実現します。
翻訳方法は簡単です。ユニウェブを導入したサイトの右下にあるピンクのアイコン(本記事の右下にあるアイコンを参照)をクリックすると、アクセシビリティメーニューが開き、設定から翻訳言語を選択するだけで、ページ内のテキストが該当の言語に翻訳されます。
◆ユニウェブの翻訳機能
ユニウェブは、自社のウェブサイトの翻訳にあたって費用や時間に限りがある事業者にとって最適な選択肢です。現在キャンペーン期間中(2025年11月12日 ~ 2025年4月1日)につき、より費用を抑えた導入が可能になっていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
ウェブサイトの多言語対応は、グローバル市場での競争力を高める上で欠かせない施策です。本記事では、ウェブサイトを翻訳するための3つの方法を紹介しましたが、目的によって適切な計画とツールの選定を行うことが求められます。
翻訳対象の選定やローカライズの準備、翻訳後の管理まで、各ステップをしっかりと押さえた上で、信頼できる翻訳ソリューションを導入することが重要です。これからサイトを翻訳して多言語化を検討する際は、今回紹介したポイントを活用し、ターゲットユーザーにとって価値あるサイト作りを目指しましょう。