【一覧表】iPhone(iOS 18)のアクセシビリティ32機能
2025/02/24

iPhoneには、視覚・聴覚・身体機能など、様々なニーズに対応したアクセシビリティ機能が豊富に搭載されています。しかし、国内のiPhoneシェアは約6割と非常に高いにもかかわらず、これらの機能を十分に活用している人はまだ多くありません。
iPhoneのアクセシビリティ機能には、障がいを持つユーザーだけでなく、健常者にとっての利便性を高める機能も多く、機能を活用することで、誰でもより快適にiPhoneを使うことができます。
本記事では、iPhoneに搭載されている32のアクセシビリティ機能を一覧で紹介します。設定を見直すことで、今まで気づかなかった快適な使い方が見つかるかるはずです。
目次 [非表示]
iPhoneに搭載されたアクセシビリティの32機能
iPhoneには、すべての人が最適に利用するための、視覚・聴覚・身体機能・認知などの様々なニーズに対応するアクセシビリティ機能が搭載されています。
以下の表は、iPhoneに搭載されている32のアクセシビリティ機能を、「設定」アプリ内の「アクセシビリティ」メニューの分類に沿って一覧化したものです。
対象にしたOSと機種は、iOS 18.3.1でiPhone 16 Pro Maxになります。また、「視覚サポート」などの機能区分は、iPhone上の表記をそのまま記載しています。
◆iPhoneのアクセシビリティ機能一覧
アイコン | 機能名 | 概要 | 活用例 |
視覚サポート 画面の読み上げや拡大、色調調整など、視覚に頼らずiPhoneを操作しやすくする機能 |
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①VoiceOver | 画面上のテキストやボタンを音声で読み上げる機能。画面をタップすると項目が読み上げられ、スワイプ操作で移動できる。 ジェスチャー操作や点字ディスプレイとの連携にも対応し、視覚に頼らず端末を操作可能。 |
・視覚に障がいを持つユーザーが、ジェスチャー操作でアプリを利用 ・受信したSMSやメールを音声で確認 |
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②ズーム | 画面全体や特定の部分を拡大できる機能。ピンチ操作や専用のズームコントローラーを使って、拡大・縮小が可能。カーソルに追従させたり、画面共有時の表示切り替えもできる。最大8倍のズームが可能。 | ・拡大鏡として活用 |
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③画面表示とテキストサイズ | 画面の色やコントラスト、テキストの大きさを調整する機能。太字・拡大文字・高コントラスト・色を反転・カラーフィルタ適用など、好みに応じたカスタマイズが可能。 | ・色覚特性を持つユーザーがコントラストを調整 ・メールを好みのフォントサイズで読む |
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④動作 | 画面のアニメーションや視差効果を制御する機能。動きに敏感な人のために「視差効果を減らす」「画面切り替えの動きを抑える」などのオプションがある。 また、刺激の強い光の点滅を検知して画面を暗くすることも可能。 |
・画面の動きに目が負担を感じる際に、視差効果を減らす |
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⑤読み上げコンテンツ | 画面上のテキストを音声で読み上げる機能。選択したテキストを読み上げる「選択項目の読み上げ」や、画面全体を自動で読み上げる「画面の読み上げ」に対応。 多言語に対応し、読み上げ速度も調整可能。 |
・英語の文章を選択して発音を確認する ・長文を目で追わずに音声で情報を把握 |
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⑥バリアフリー音声ガイド | バリアフリー対応コンテンツが利用できる場合に自動的に音声を再生。対応するコンテンツでは、画面上で起こっていることをナレーション付きで伝える。 | ・音声解説つきの映画やビデオを鑑賞 |
身体機能および動作 タッチ操作や音声・視線による操作補助など、身体の動きに制約があるユーザー向けの機能 |
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⑦タッチ | タッチ操作の感度や動作をカスタマイズできる。画面上に仮想ボタンを表示し、タップやスワイプの代わりにカスタム操作を割り当てることができる「AssistiveTouch(アシスティブタッチ)」は、特に便利な機能のひとつ。 | ・長押し時間を延ばして意図しない操作を防ぐ ・アシスティブタッチで、声を出さずにSiriを呼び出す |
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⑧Face IDと注視 | Face IDの認識方法をカスタマイズし、視線を使った操作補助(注視認識)を有効にできる。画面を見ている間は自動ロックを防ぐ機能もある。 | ・注視でFace IDの認証を強化 ・画面の自動ロックを注視で防ぐ |
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⑨スイッチコントロール | 動作に制約があるユーザーのための操作補助機能。「頭を振る」「声を出す」などのユーザーの動作(スイッチ)に対する独自の操作(レシピ)を設定することができる。 | ・作業中など手が離せないときにiPhoneを操作する ・ブックアプリで、声を出してページをめくる ・就寝中にゲームアプリでタップを繰り返す |
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⑩音声コントロール | 音声コマンドだけでiPhoneを操作できる機能。「タップ」「スクロール」「戻る」などの音声命令で画面操作が可能で、手を使わずにiPhoneを扱える。オリジナルのカスタムコマンドも登録できる。 | ・通話中に声だけでアプリを操作する ・「次へ」と言ってウェブページをスクロール |
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⑪視線トラッキング | 視線の動きだけでiPhoneを操作できる機能。カーソルを目で移動させ、まばたきでタップするなど、手を使わずに直感的な操作が可能になる。 また、指定した時間視線を動かさないことで、設定したアクションを実行することもできる。 |
・料理中や運動機能に障がいがあるなど、手が使えない状況でiPhoneを操作する |
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⑫サイドボタン | サイドボタンの押し方や動作をカスタマイズできる機能。ダブルクリックの速度調整や長押しの動作変更が可能。 | ・ボタンのダブルクリックで電子マネーの支払いを承認 ・ボタンの長押し時間を変更して誤作動を防ぐ |
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⑬カメラコントロール | カメラコントロールボタンを設定する機能。ボタンは軽く押すと倍率や補正が制御できるようになっており、押す強さや、ダブルクリックの速さを調整することができる。 | ・素早くカメラを起動する ・押下感度を強めて扱いやすくする |
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⑭Apple Watch ミラーリング | iPhone上で、ペアリングしたApple Watchの画面を表示・操作できる機能。 | ・冬場など、袖をまくらずにApple Watchの操作をiPhoneで代替 ・細かい動作が苦手なユーザーが、大画面でApple Watchを操作 |
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⑮近くのデバイスを操作 | 近くにあるiPadや、別のiPhoneを操作することができる機能。デバイスは同じApple IDでログイン済みである必要がある。 | ・テーブルにiPadを置きながら、手元のiPhoneでiPadを操作 |
聴覚サポート 補聴器の接続や音声認識、字幕表示など、聴覚に障がいのあるユーザー向けの機能 |
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⑯ヒアリングデバイス | MFi(Made for iPhone)補聴器や、Bluetooth対応の補聴デバイスとiPhoneを連携できる機能。通話音声の直接伝送や、環境音のカスタマイズも可能で、音の聞き取りを最適化できる。 | ・iPhoneと補聴器をワイヤレス接続して通話 |
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⑰聴覚コントロールセンター | コントロールセンターに聴覚サポート機能を追加できる設定。ヘッドフォンのリアルタイム音量調整や、ライブリスニング機能(iPhoneをマイクとして利用)が可能。 | ・騒がしい場所で小声で通話するために「ライブリスニング」を利用 |
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⑱サウンド認識 | iPhoneが特定の音(インターホン、赤ちゃんの泣き声、サイレンなど)を検出し、通知を送る機能。 | ・聴覚に障がいを持つユーザーが、周囲の異変に気づきやすくする ・イヤホンによるオンライン会議や音楽鑑賞中でも宅配便に気付けるようにする |
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⑲オーディオとビジュアル | 音声の聞き取りをサポートする機能の集約セクション。モノラルオーディオの設定、左右の音量バランス調整、ヘッドフォンの音質カスタマイズなどができる。 また、人の声とその他の音を分離したり、海や雨の音を流し続ける「バックグラウンドサウンド」の設定も可能。 |
・スピーカーの音質を自分好みに調節する ・勉強中に「バックグラウンドサウンド」を利用して集中力を高める |
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⑳標準字幕とバリアフリー字幕 | 映像コンテンツを利用中に、iPhone上に字幕やクローズドキャプション(CC)、発音表記を表示する機能。利用するためには対応アプリで映像コンテンツを視聴する必要がある。 | ・聴覚に障がいを持つユーザーが、映画や動画を字幕情報付きで視聴 |
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㉑ミュージックの触覚 | 音楽を触覚で感じられる機能。音楽に合わせて、iPhoneの振動フィードバックを利用できる。Apple Musicの数百万曲に対応。 | ・聴覚に障がいを持つユーザーが音楽を楽しむ ・音に振動を加えることで、臨場感のあるサウンドが楽しめる |
読み上げ テキストや音声を合成して読み上げ、コミュニケーションを支援する機能 |
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㉒ライブスピーチ | 入力したテキストをiPhoneが音声で読み上げ、対話をサポートする機能。よく使う語句のリストから選択して読み上げることもできる。 音声は日本語と英語に対応し、声の高さや速度の調整が可能。 |
・発話できないユーザーのコミュニケーションを支援する |
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㉓パーソナルボイス | iPhoneがユーザー自身の声を学習し、自分に似ている声を作成できる機能。作成した声は、ライブスピーチや読み上げコンテンツ、VoiceOverなどで使用可能。 また、iCloud経由ですべてのデバイスでパーソナルボイスを使用できる。 |
・事前に録音した声を活用し、病気や障がいにより声を失った場合の備えとする |
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㉔ボーカルショートカット | 特定のフレーズを設定し、そのフレーズを音声コマンドとして利用できる機能。 | ・「電話をかける」と言うだけで特定の番号に発信 ・声だけでカメラアプリによる写真撮影をする |
アクセサリ 外部デバイスとの連携や、入力方法のカスタマイズをサポートする機能 |
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㉕キーボードと入力 | 外部キーボードの接続や入力方法のカスタマイズができる機能。キーの押しやすさを調整したり、フルキーボードアクセスでiPhoneのカーソル操作も可能。 | ・iPhoneにBluetoothキーボードを接続して操作 ・キーリピート速度を調整し、誤入力を防ぐ |
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㉖Apple TV リモコン | iPhoneをApple TVのリモコンとして使用できる機能。物理リモコンの代わりに、タッチや音声でApple TVを操作できる。 | ・リモコンが故障したり紛失した際の代替機としてiPhoneを利用 |
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㉗AirPods | ペアリングしたAirPodsの操作感を調整する機能。空間オーディオを「頭の動きに追従する」か「iPhoneから流れているように聞こえる」ようにするかの切り替えも可能。 | ・頭の動きによって音源の位置を変化させることで、より自然な鑑賞体験が得られる |
一般 Siriやショートカットなど、iPhoneの操作全般を快適にする機能 |
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㉘アクセスガイド | ひとつのアプリ以外の操作を制限できる機能。指定したアプリ以外に切り替えられないようにし、誤操作を防ぐ。タッチや物理ボタンの無効化も可能。 | ・子供にiPhoneを使わせたり、ひとつの作業に集中したいときに活用 |
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㉙アシスティブアクセス | iPhoneの操作画面を簡素化し、認知や運動機能に課題があるユーザーが直感的に使いやすくする機能。テキストではなくビジュアルを使用してのコミュニケーションが可能になる。 | ・必要なアプリだけを表示し、操作を簡単にする ・介護の際にコミュニケーションをスムーズにする |
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㉚Siri | iPhoneの音声アシスタント機能「Siri」のアクセシビリティ面の設定を行う。待機時間や読み上げ速度の調整、また、音声入力の聞き取りやタイプ入力などを設定できる。 | ・声を出せない場所で、タイプ入力でSiriに話しかける |
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㉛ショートカット | サイドボタンまたはホームボタンをトリプルクリックして、選択したアクセシビリティ機能のオンとオフを切り替えることが可能。 | ・サイドボタンのトリプルクリックで画面の色を反転させる |
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㉜アプリごとの設定 | アプリごとにアクセシビリティ設定をカスタマイズできる機能。特定のアプリだけ文字サイズを変更したり、コントラストを調整できる。 | ・読書アプリだけ文字を大きくする ・動画アプリのみ色を反転して見やすくする |
これらの機能は、すべてiPhoneの「設定」アプリ内の「アクアセシビリティ」より設定を行うことができます。いずれのアクセシビリティ機能も細かい調整が可能であり、個々のユーザーのニーズに応じたカスタマイズが可能です。
ニーズ別におすすめするiPhoneのアクセシビリティ機能
iPhoneには多くのアクセシビリティ機能が搭載されていますが、すべての機能を知った上で「どれを使えばいいのか迷う」という方も多いかもしれません。
そこで、「視覚」「聴覚」「身体機能」「認知・学習」のニーズ別に、特に役立つ機能をピックアップして紹介します。
それぞれのニーズに応じた機能を活用することで、iPhoneをより快適に、便利に使えるようになります。
「視覚」のサポートに役立つiPhoneのアクセシビリティ機能
iPhoneには、視覚に課題があるユーザー向けに多くのアクセシビリティ機能が搭載されています。画面の情報を音声で読み上げる機能や、文字や画像を拡大する機能などを活用することで、視力に関係なくiPhoneを快適に操作できます。
ここでは、特に役立つ3つの機能をピックアップして紹介します。
① VoiceOver
VoiceOverは、画面上のテキストやボタンを音声で読み上げ、視覚に頼らずiPhoneを操作できる機能です。
画面をタップすると項目が読み上げられ、スワイプで移動できるため、画面を直接見ることなく操作が可能になります。また、点字ディスプレイや外部キーボードとの連携にも対応しています。
② ズーム
ズーム機能を使うと、iPhoneの画面全体や特定の部分を拡大でき、視力が低い場合でも文字や画像を見やすくできます。
◆ニュースサイトでテキストをズーム

ピンチ操作やズームコントローラーを使って、拡大・縮小を自由に調整できるほか、カーソル追従機能を活用すればスクロール時も視認性を維持できます。
なお、以前のiOSバージョンではズーム機能内に、iPhoneのカメラを拡大鏡として活用できる「拡大鏡」機能がありましたが、最新のiOSでは、独立して標準アプリとして利用できるようなっています。
③ 読み上げコンテンツ
「読み上げコンテンツ」機能を有効にすると、選択したテキストや画面全体の文章をiPhoneが音声で読み上げてくれます。ウェブサイトや書類の内容を耳で確認できるため、長文を読むのが難しい場面でも役立ちます。
①の「VoiceOver」が使いづらいと感じた場合は、こちらの機能を試してみましょう。
これらの機能を活用することで、画面を見ることが難しい状況でもスムーズにiPhoneを操作できます。
「聴覚」のサポートに役立つiPhoneのアクセシビリティ機能
iPhoneには、聴覚に課題があるユーザー向けのアクセシビリティ機能が多数搭載されています。補聴器との連携や音の検出、映像の字幕表示など、音の情報を視覚や振動で補う機能が充実しているため、聴覚の状況に応じて快適にiPhoneを利用できます。
ここでは、特に役立つ3つの機能を紹介します。
① ヒアリングデバイス
「ヒアリングデバイス」では、iPhoneと補聴器やBluetooth対応のヒアリングデバイスを連携できます。
MFi(Made for iPhone)補聴器と接続すれば、通話音声を直接補聴器に伝送したり、環境音のカスタマイズが可能になります。
② サウンド認識(特定の音を検出・通知)
「サウンド認識」は、周囲の音をAIが分析し、特定の音(インターホン、赤ちゃんの泣き声、サイレン、ドアノックなど)を検出すると、画面通知やバイブレーションで知らせる機能です。
◆インターホンに反応して画面に通知

③ 標準字幕とバリアフリー字幕
映像コンテンツを視聴する際に、標準字幕やバリアフリー字幕(クローズドキャプション:CC)を表示できる機能です。
◆字幕を表示してCC対応のYouTube動画を視聴

聴覚に障がいがあるユーザーが映像を視覚的に理解できるだけでなく、騒がしい環境や音を出せない場面でも便利に活用できます。
CC対応の動画で利用することができます。
これらの機能を活用することで、iPhoneは音の情報を視覚や振動で補い、聴覚に頼らず快適に操作できるデバイスになります。
「身体機能」のサポートに役立つiPhoneのアクセシビリティ機能
iPhoneには、身体機能に制約があるユーザー向けに、タッチ操作の補助や音声・視線による操作支援機能が搭載されています。手や指を使わなくてもiPhoneを操作できる仕組みが整っており、それぞれの動作やニーズに応じた使い方が可能です。
ここでは、特に役立つ4つの機能を紹介します。
① AssistiveTouch(タッチ機能内)
アクセシビリティ機能の「タッチ」内で設定できる「AssistiveTouch(アシスティブタッチ)」は、画面上に仮想ボタンを表示し、タップやスワイプの代わりにカスタム操作を割り当てる機能です。
◆AssistiveTouchの操作パネル

ワンタップで特定の動作を実行したり、ジェスチャーの代替操作を設定することができます。スクリーンショットの撮影や、Siriの起動、ホーム画面への戻る動作なども簡単に実行可能です。
② 音声コントロール(声だけで操作)
音声コントロールを有効にすると、「タップ」「スクロール」「戻る」といったコマンドを声で指示し、iPhoneをハンズフリーで操作できます。画面上のボタンを選択したり、キーボード入力を音声だけで行うことも可能です。
③ スイッチコントロール(特定の動作で操作可能)
スイッチコントロールは、「頭を振る」などの特定の動作をトリガーとして、iPhoneの操作を行う機能です。スキャン方式を使って画面上の項目を順番に選択し、特定のスイッチ動作でタップやスクロールを実行できます。
手や指を使わずにiPhoneを操作できるため、身体機能の制限があるユーザーにとって有効な支援となります。
④ 視線トラッキング(目の動きで操作)
視線トラッキングを活用すると、iPhoneのカメラがユーザーの目の動きを追跡し、視線だけで画面上のカーソルを移動させることができます。タップ動作はまばたきで代用することもでき、手を使わずに直感的な操作が可能です。
これらの機能を活用することで、タッチ操作が難しい場合でも、音声や視線、スイッチ操作を活用してiPhoneを自在に操作できます。
「認知・学習」のサポートに役立つiPhoneのアクセシビリティ機能
iPhoneには、認知や学習のサポートが必要なユーザーに向けたアクセシビリティ機能が搭載されています。特定の操作に集中できるように制限を設けたり、シンプルなインターフェースに切り替えたりすることで、認知負荷を軽減しながら快適にiPhoneを利用できます。
ここでは、特に役立つ3つの機能を紹介します。
① アクセスガイド
「アクセスガイド」は、特定のアプリのみ使用できるように制限し、他のアプリや機能へのアクセスを防ぐ機能です。誤操作を防ぎ、ひとつの作業に集中できる環境を作ることができます。
タッチ操作の一部を無効にしたり、制限時間を設定することも可能で、学習や作業に集中したい場面で役立ちます。
② アシスティブアクセス
iPhoneのインターフェースを簡素化し、必要なアプリや機能だけを表示することで、直感的な操作を可能にします。下記は、アシスティブアクセスを適用させた筆者のiPhoneです。
◆アシスティブアクセス適用時のホーム画面

文字入力を最小限に抑えたり、アイコンを大きくすることで、視覚的にわかりやすくし、迷うことなくスムーズに操作できるようになります。
③ ライブスピーチ
「ライブスピーチ」は、入力したテキストをiPhoneが音声で読み上げる機能です。口頭でのコミュニケーションが難しい場合に、事前に登録したフレーズをすぐに発話できるため、日常会話をサポートします。
◆ライブスピーチのテキスト入力画面

音声の速度やトーンも調整可能で、使う場面に応じたカスタマイズができます。
これらの機能を活用することで、認知や学習の負担を軽減しながら、よりスムーズにiPhoneを操作できるようになります。
個々のニーズに合わせて適切な機能を活用し、快適なデジタル環境を整えてみてください。
iOSアップデートでアクセシビリティ機能は強化される
iPhoneのアクセシビリティ機能は、iOSのアップデートによって継続的に改善されています。
例えば、過去のアップデートでは「パーソナルボイス」や「アシスティブアクセス」の新機能が追加されたり、視線トラッキングや音声コントロールの精度が向上するなど、ユーザーの使いやすさを重視した改良が行われてきました。
今後も、新しいアクセシビリティ機能の追加や既存機能の最適化が期待されるため、定期的にOSを更新し、最新の機能を活用できる状態にしておくことが重要です。
「Apple Intelligence」によるiPhoneアクセシビリティの進化
また、2025年4月には、AppleのAIシステム 「Apple Intelligence」 の日本語対応が予定されており、アクセシビリティ機能にも大きな変化をもたらす可能性があります。
音声認識や字幕生成の精度向上、視線やジェスチャーを活用した操作の強化、さらにはSiriの理解力の向上など、AI技術を活用した機能の進化が期待されています。
iPhoneは今後もより使いやすく、誰にとってもアクセスしやすいデバイスへと進化していくことは間違いありません。
「ユニウェブ」で実現するウェブサイトのアクセシビリティ対応
iPhoneが多様なアクセシビリティ機能を備えているように、ウェブサイトにもユーザーの使いやすさを考慮したアクセシビリティ対策が求められています。
弊社のウェブアクセシビリティツール「ユニウェブ」なら、特別な開発知識がなくても、ウェブサイトのソースにタグを1行挿入するだけで、アクセシビリティを向上させる多彩な機能を簡単に導入できます。
例えば、ユニウェブでは以下のようなアクセシビリティ機能を提供しています。
◆ユニウェブが提供するアクセシビリティ機能の一部
・色覚サポート(カラーフィルタ適用)
・読み上げ機能
・キーボード操作対応
・ハイコントラストモード
・多言語化
ユニウェブを活用することで、誰にとっても閲覧しやすいウェブサイトを手軽に構築できます。
本記事の右下に表示されている「ピンクの人型アイコン」をクリックすれば、ユニウェブのアクセシビリティ機能を体験することができますので、ぜひお試しください。
まとめ
iPhoneには、多様なユーザーが快適に操作できるよう、視覚・聴覚・身体機能をサポートする様々なアクセシビリティ機能が搭載されています。
それぞれの機能を適切に設定することで、視覚・聴覚・運動機能などの違いを超えて、誰もが快適にiPhoneを活用できるようになります。ライフスタイルに合わせた設定を行うことで、より快適でアクセシブルなデジタル体験を実現できるでしょう。
iPhoneのアクセシビリティ機能は、OSのアップデートごとに進化し、新たな機能が追加されることもあるため、今後も最新の機能をチェックしながら、自分にとって最適な設定を見つけ、より便利にiPhoneを活用してください。