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ESGとは「環境・社会・企業統治」に基づく経営や投資基準

2025/01/31

ESGとは

ESGとは、環境(Environmental)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの要素を指し、持続可能な社会を目指す経営や投資活動の基準として広く認識されています。近年、「ESG投資」や「ESG経営」という言葉が注目され、特に、ESG投資額は年々増加傾向にあり、企業にとっても重要なテーマとなっています。

この背景には、気候変動や社会的課題への関心の高まり、投資家や消費者が企業の持続可能性に注目するようになったことが挙げられます。

ESGは、単なるリスク管理の手段ではなく、企業の長期的な成長や競争力強化を可能にする重要な要素です

本記事では、ESGの基本的な要素や具体例、実際の企業事例、さらに取り組むためのステップなど、ESGについて詳しく解説します。

世界的に「ESG投資」が拡大傾向

近年、「ESG投資」が世界中で注目を集め、持続可能な社会を目指す上で重要なキーワードとして位置付けられています。

ESG投資とは、ESG(環境・社会・企業統治)の要素を考慮して行われる投資のことです。企業において、環境問題への対応や社会的責任の重視が求められる中、ESG投資は成長を続けています。

日本経済新聞の記事による、以下のグラフをご覧ください。

◆世界の地域別ESG投資額の推移

世界地域別ESG投資額推移

出典:ESG投資が初の減少 2022年、成績低迷・基準厳格化で(日本経済新聞)

欧州を中心にESGの概念が広がり、各地域で持続可能な投資への意識が高まった結果、ESG投資額は全体的に右肩上がりに推移し、着実に成長を遂げてきました。

しかし、2022年には初めて世界全体のESG投資額が減少に転じ、前年から14%減の30.3兆ドルとなりました。記事によると、この減少は主に北米での投資額の半減によるもので、背景にはグリーンウオッシュ批判や基準の厳格化が影響していると見られています。

また、ウクライナ危機やインフレの影響で化石燃料関連銘柄が好調だった一方、環境関連銘柄に軸足を移していたESGファンドの成績が振るわなかったことも要因であるとされています。

いずれにしても、この減少は一時的なものと見られており、欧州、オセアニア、および日本については、引き続き拡大傾向となっています。

次に、ESG投資が全体に占める割合についても見ていきます。

◆ESG投資が総運用資産に占める割合の推移

ESG投資が総運用資産に占める割合の推移

出典:GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW 2020(GSIA)※一部筆者加工

欧州では、ESG投資の割合が2014年の58.8%から2020年には41.6%まで減少しています。この減少は、欧州において持続可能な投資の定義が厳格化された影響が一因と考えられており、投資額そのものの減少を示すものではありません。

一方、日本では2016年以降に急激な成長を遂げ、2020年には24.3%に達しました。これは、企業や投資家の間で持続可能性への関心が高まりつつあることを反映しています。

全体としては、成長のペースや方向性に違いがありますが、多くの地域でESG投資が拡大しています。このことは、現在において「環境・社会的配慮」が金融市場の主要なテーマとなり、投資行動や企業戦略につながっていると考えられます。

次に、ESGを構成する3つの要素について詳しく解説します。

「ESG」の3つの要素と具体例

ESGが「環境」「社会」「企業統治」を指す概念であることはすでに述べましたが、ここでは、この3つの要素が具体的にどのような内容を持つのか、詳しく解説していきます。

要素①環境(Environmental)

「環境」における要素は、気候変動や資源管理、生態系保護といった地球規模の問題に企業がどのように取り組むかを指します。

◆環境要素の具体例

・再生可能エネルギーの利用
・温室効果ガスの排出削減
・廃棄物の削減とリサイクル推進
・生物多様性の保護

多くの製造業では、生産工場でのエネルギー消費を削減するために太陽光発電や風力発電を導入しています。また、小売業では、商品の包装にリサイクル可能な素材を使用することで、廃棄物の削減を図る取り組みが一般化しています。

要素②社会(Social)

「社会」における要素は、企業が労働環境や地域社会、顧客など、ステークホルダーに対してどのような責任を果たすかを指します。

◆社会要素の具体例

・働きやすい職場環境の提供
・多様性(ダイバーシティ)の推進
・サプライチェーン全体での人権保護への取り組み
・地域社会への貢献活動

一部の国際的な企業では、サプライチェーン全体で児童労働を排除する仕組みを整備しています。また、IT企業や金融業では、女性やマイノリティなど多様な人々が活躍できるよう、リーダーシップ育成プログラムを導入するなど、多様性を尊重した取り組みが進められています。

要素③企業統治(Governance)

企業統治は、経営の透明性や説明責任、法令順守、株主との関係性など、企業が健全に運営されるための仕組みを指します。

◆企業統治の具体例

・取締役会の独立性を高める施策
・コンプライアンス体制の強化
・情報開示の透明性向上
・株主との建設的な対話

例えば、多くの企業では、取締役会に外部の専門家を招いて監視機能を強化する取り組みが行われています。また、情報開示の透明性を確保するため、年次報告書に詳細な非財務情報を記載する企業が増えています。

このように、ESGの3つの要素である「環境」「社会」「企業統治」は、それぞれが企業活動の中で重要な役割を果たしており、今後の持続可能な社会を実現するための基盤と言えます。

では、企業がESGに取り組むことで、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。次に解説します。

ESG経営の5つのメリット

現代社会では、企業がESGに取り組むこと、つまりESG経営を行うことは、様々なメリットをもたらします。ここでは、主な5つのメリットを紹介します。

メリット①企業価値の向上

ESGに取り組むことで、持続可能な成長を目指す企業としての評価が高まり、ブランド価値や企業イメージの向上につながります。投資家や消費者からの信頼を獲得しやすくなり、長期的な収益基盤を強化します。

下記記事によると、ESGを含む非財務要因の評価が高い企業は、資本コストの低減や期待利益成長率の上昇に繋がることが確認されています。

引用:ビッグ・データ・アナリティクスを活用した 財務・非財務インパクトの測定: 投資家視点のデータ分析による企業価値向上への対応(PwC Japan)

メリット②投資家からの支持

ESG投資は世界的に拡大しており、持続可能な経営を実践する企業が投資対象として選ばれやすくなります。資金調達がしやすくなり、機関投資家からの注目が得られる点も大きなメリットです。

下記は、QUICK ESG研究所による、国内に拠点を置く投資家を対象にした調査結果によるものです。

◆日本株の運用資産残高とESG投資残高の推移

日本株の運用資産残高とESG投資残高の推移

出典:ESG投資実態調査2023① ESG割合「90%以上」33%・5年後46%(QUICK ESG研究所)※一部筆者加工

この調査結果を見ると、ESG投資残高は約104兆3000億円と、前年に比べ約22兆6000億円増加しており、投資家の関心が高まっていることがわかります。

メリット③優秀な人材の獲得と定着

多様性(ダイバーシティ)を重視する姿勢や、働きやすい職場環境の整備は、優秀な人材の獲得と人材の定着を促進します。特に、若い世代の求職者はESGに取り組む企業に魅力を感じやすい傾向があります

下記は、株式会社学情が、卒業(修了)を控えた大学生・大学院生を対象に実施した、就職活動に関するアンケート結果です。

◆求職者に対する意識調査結果

求職者に対するSDGsの意識調査

出典:2024年卒対象アンケート(あさがくナビ)

上記は、SDGsについてのアンケートですが、企業がESGに取り組むことはSDGsの達成にも寄与するため、そのままESGについてのアンケート結果と捉えることができます。

この結果から、ESGやSDGsに積極的に取り組む企業が、求職者からの関心を集め、優秀な人材の獲得につながることがわかります。

メリット④規制対応と競争力の向上

各国でESG関連の規制が強化される中、積極的に対応することで、競合他社との差別化が図れます。

例えば、カーボンニュートラルの目標達成やサプライチェーン全体での人権保護を進めることで、ステークホルダーの多くの支持を集め、グローバル市場での競争力を高めることができます。

メリット⑤消費者からの支持

下記は、ネットショップ担当者フォーラムより引用した、消費者アンケートの結果を示したグラフです。

◆商品・サービスを購入する時に、環境に優しいか否かで選ぶか

商品・サービスを購入する時に、環境に優しいか否かで選ぶか

引用:約6割が「場合によっては環境に優しい商品・サービスを選ぶ」。必ず購入する人は3.3%(ネットショップ担当者フォーラム / 出所:環境と人)

グラフを見ると、「環境に優しい商品・サービスを必ず選ぶ」は3.3%で、「場合によっては環境に優しい商品・サービスを選ぶ」が61.5%となっており、消費者が環境や社会に配慮した製品やサービスを提供する企業を選ぶ傾向が強まっていることがわかります。

ESG経営を実践することで、顧客ロイヤルティの向上や新規顧客の獲得につながります。

このように、ESG経営は単に企業のイメージ向上にとどまらず、社会的責任を果たすことで中長期的な企業価値の向上にも繋がっています。そして同時に、競争力を強化する重要な戦略とも言えるでしょう。

次項では、実際にESGを意識した取り組みを行っている企業の事例を紹介してまいります。

ESGに取り組む5つの企業事例

ここでは、実際に5社の取り組みを取り上げ、「環境」「社会」「企業統治」に分けて、それぞれの具体的な実践例を紹介します。

事例①トヨタ自動車株式会社

・環境
トヨタは、「トヨタ環境チャレンジ2050」という長期目標を掲げ、2050年までに車両および生産工程からのCO2排出量を実質ゼロにすることを目指しています。

この取り組みでは、「車両のライフサイクル全体でのCO2排出削減」「工場のカーボンニュートラル化」「水資源の有効活用と地域環境の保全」といったチャレンジが進められています。

・社会
「Mobility for All」の理念のもと、障がいのある方や高齢者など、誰もが安心して移動できる社会の実現を目指し、移動型バリアフリートイレの開発などを行っています。

・ガバナンス
トヨタでは、透明性と公平性を重視したガバナンス体制を構築しています。取締役会の約半数を独立社外取締役が占めるほか、指名・報酬諮問委員会の設置やリスク管理体制の強化を通じて、経営の健全性を確保しています。

参考:ESG(環境・社会・ガバナンス)に基づく取り組み(トヨタ自動車株式会社)

事例②ソフトバンク株式会社

・環境
ソフトバンクは、気候変動対策として、2030年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げています。

また、再生可能エネルギーを利用したデータセンターの運用や、オフィスにおける省エネルギー設備の導入など、実効性のある施策を進めています。さらに、TCFD提言に基づき、環境関連リスクや機会の情報開示を強化しています。

・社会
地域格差を解消するための「デジタルデバイド解消プロジェクト」を展開しています。例えば、5GやWi-Fiの普及を通じて、地方や過疎地域でも高速通信を利用できる環境を整備しています。

また、教育支援の一環として、「GIGAスクール構想」を支援し、子どもたちにICT教育を提供する取り組みを行っています

・ガバナンス
ESG推進委員会を設置し、取締役会に直接報告する仕組みを導入しています。この委員会では、ESG活動の進捗管理や戦略立案を行い、企業活動に反映させています。

また、株主やステークホルダーに向けて、非財務情報の透明性を確保するための開示を強化しています。

参考:ESGの主な取り組み(ソフトバンク株式会社)

事例③三菱商事株式会社

・環境
三菱商事は、気候変動対策として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を活用し、成長機会の取り込みとリスクへの対応を行っています。

例えば、石炭火力事業の取り組み方針を策定し、低・脱炭素化事業へのシフトを進めています。また、1.5℃シナリオ分析や物理的リスク評価を実施し、気候変動が事業に与える影響を詳細に検討しています。

・社会
同社は、サステナビリティ重要課題の2030年に向けた目標設定を行い、社会的責任の遂行に努めています。

具体的には、多様な人材が未来を創る活気に満ちた組織の実現を目指し、ダイバーシティマネジメントやウェルビーイング(労働安全衛生、健康経営)の推進に取り組んでいます

・ガバナンス
ガバナンスの面では、企業理念である「三綱領」に基づき、事業を通じて物心両面で豊かな社会の実現と地球環境の維持に貢献することを掲げています。

この理念のもと、サステナビリティ推進体制を整備し、取締役会の監督の下、ESG課題に対する戦略的な取り組みを推進しています。また、リスク管理体制の強化として、コンプライアンス委員会を設置し、法令遵守や企業倫理の徹底を図っています。

参考:サステナビリティ・CSR(三菱商事株式会社)

事例④積水ハウス株式会社

・環境
積水ハウスは、2050年までにCO₂排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル宣言」を掲げており、住宅の高断熱化や太陽光発電システムの導入を推進し、エネルギー効率の高い住まいづくりを進めています。

また、環境配慮型の街づくりとして「グリーンファーストゼロ」プロジェクトを展開し、自然共生型のコミュニティ形成を目指しています。

・社会
多様な人材の活躍を促進するため、女性管理職の比率向上や外国人社員の採用を積極的に行っています。また、従業員の働きやすい環境づくりとして、テレワークの推進やフレックスタイム制度の導入など、柔軟な働き方を支援しています。

さらに、地域社会との共生を重視し、被災地支援や子ども向けの環境教育プログラムを実施しています。

・ガバナンス
同社では、取締役会の機能強化を図るために社外取締役の比率を高め、経営の透明性と独立性を確保しています。また、リスク管理体制の強化として、コンプライアンス委員会を設置し、法令遵守や企業倫理の徹底を図っています。

さらに、サステナビリティ委員会を通じて、ESG課題に対する戦略的な取り組みを推進しています。

参考:積水ハウスの環境への取り組み(積水ハウス株式会社)

事例⑤花王株式会社

・環境
花王は、2030年までに自社のCO₂排出量を2017年比で55%削減する目標を設定しています。

製品のライフサイクル全体での環境負荷低減を目指し、詰め替え製品の普及や再生プラスチックの活用を推進しています。また、水資源の保全にも注力し、生産工程での水使用量削減や、節水型製品の開発を行っています。

・社会
ダイバーシティ&インクルージョンの推進を掲げ、女性管理職比率の向上や障がい者雇用の促進に取り組んでいます。また、従業員の健康管理を重視し、健康経営を推進するためのプログラムを導入しています。

地域社会への貢献としては、教育支援や災害支援活動を積極的に展開しています

・ガバナンス
花王では、コーポレートガバナンスの強化を目的に、取締役会の半数以上を社外取締役で構成し、経営の監督機能を高めています。また、指名・報酬委員会を設置し、経営陣の選任や報酬決定の透明性を確保しています。

内部統制システムの整備にも力を入れ、リスク管理やコンプライアンス体制の充実を図っています。

参考:花王のESG戦略(花王株式会社)

次に、ESGが抱える課題についても触れていきます。

「ESG」における3つの課題

ここまでに述べたように、ESG投資やESG経営は、持続可能な社会を目指すために世界中で注目を集めております。しかし、その普及が進む一方で、ESGにはいくつかの課題も存在します。

ここでは、ESGにおける代表的な3つの課題について解説します。

課題①明確な基準や評価指標がない

世界で注目を集めているESGですが、その評価や報告基準が統一されておらず、比較や透明性に欠ける点が課題です。企業がどのようにESGを実践しているかを測定する際に、基準の曖昧さが投資家やステークホルダーの判断を困難にしています。

企業のESGへの取り組みを評価する指標として「ESGスコア」というものはありますが、評価機関ごと、あるいは国や業界ごとに基準が異なるため、「統一された基準」としての役割を完全に果たしているとは言えません

課題②企業が開示するデータの信頼性と透明性が不十分

企業が提供するESG関連のデータの信頼性が課題となっています。

実際に、デトロイト トーマツの調査結果によると、ESGデータの収集において、スプレッドシートの複雑さやデータ精度の低さ、入力ミスなどの課題を経験している企業が、年々増加傾向にあるとされています。

引用:ESGデータの収集・開示に係るサーベイ2024(デトロイト トーマツ)

特に、排出量や労働環境に関するデータが不完全または曖昧である場合、投資家やステークホルダーの評価を誤らせるリスクがあります。

課題③短期的利益につながりにくい

ESGの取り組みは、中長期的な利益には寄与する一方で、短期的な利益にはつながりにくい面があります。一部の経営者や投資家は、短期的利益を重視するため、ESG投資への理解が得られにくい場合があります。

これらは、ESGを推進する際に多くの企業が直面する課題であり、それぞれに対する解決策の模索が、ESGの成功には不可欠となります。

それでは次に、ESGに取り組む際に参考となる具体的なステップを解説します。効果的なESG推進には、体系的な取り組みが重要となります。

ESGに取り組むための6つのステップ

ここでは、企業がESGに取り組む際に参考となるフレームワークを、以下の6つのステップに分解しました。

ステップ①現状分析と課題の把握
ステップ②ESG優先課題の特定
ステップ③目標設定と戦略策定
ステップ④社内体制の整備と取り組みの実施
ステップ⑤パ進捗の測定と改善
ステップ⑥情報開示とコミュニケーション

それぞれの具体的な進め方を解説してまいります。

ステップ①現状分析と課題の把握

企業が抱えるESG課題を把握するために、自社の現状を徹底的に分析し、ESGにおける課題やリスクを明確化します。

業界内外のベンチマークを活用して、自社の立ち位置を把握し、投資家や消費者の期待に基づいて改善すべき点を特定します。

ステップ②ESG優先課題の特定

現状分析を基に、自社の事業やステークホルダーにとって最も重要なESG課題(マテリアリティ)を特定します。

これには、マテリアリティ分析”と呼ばれる、企業の課題を特定するためのフレームワークを用い、課題の重要度と影響度を評価します。優先順位を明確にすることで、限られたリソースを効率的に配分し、効果的な施策を展開できます。

ステップ③目標設定と戦略策定

具体的な数値目標やスケジュールを設定し、これらの目標を達成するための戦略と具体的な行動計画を策定します。目標は具体的かつ測定可能(数値目標が理想)なものとし、達成のためのロードマップを策定し、必要なリソースや人材を確保します

なお、目標は現実的であり、同時に企業の競争力を高めるものとなるように配慮する必要があります。

ステップ④社内体制の整備と取り組みの実施

計画を実行に移すために、サステナビリティ委員会の設置や責任者の任命など社内体制の構築を行い、具体的なESG施策を全社的に展開します。

また、従業員への教育や研修を通じて、ESGに対する理解を深め、組織全体で一体感を持った取り組みを実施します。

ステップ⑤進捗の測定と改善

ESG施策の進捗を定量的・定性的に測定し、必要に応じて改善策を講じることで、取り組みを継続的に強化します。

具体的には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)※1やGRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)※2などによる、国際的に認知された基準を活用し、透明性の高いデータを収集・分析します。このデータは、ステークホルダーへの報告や意思決定の基盤として重要な役割を果たします。

このステップを実行することで、ステークホルダーに対する説明責任を果たすと同時に、得られた結果をもとにさらなる改善を図り、ESG活動の効果を最大化します。

※1 TCFD:気候変動が企業に与える財務的影響を開示するための国際的な枠組み
※2 GRI:サステナビリティに関する情報開示の国際基準を策定する非営利団体

ステップ⑥情報開示とコミュニケーション

ESG活動の成果を透明性を持って情報開示し、投資家や消費者を含むステークホルダーとのコミュニケーションを通じて信頼関係を築きます。

具体的には、サステナビリティレポートや統合報告書を作成し、オンラインやイベントを通じて情報を公開します。

これら6つのステップを通じて、企業は持続可能性への取り組みをさらに強化し、社会的評価を高めることが可能になります。

なお、本項は、日本取引所グループ・東京証券取引所により発表された「ESG情報開示実践ハンドブック」の内容をもとに解説しています。取り組み方のより詳しい内容は、下記公式ページよりハンドブックの本編をご確認ください

参考:ESG情報開示実践ハンドブック(日本取引所グループ)

まとめ

ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みは、企業の持続可能な成長を実現し、企業経営や投資における重要な視点として世界中で注目されています。

企業にとって、環境保護や社会貢献、透明性のあるガバナンスの強化は、単に規制やステークホルダーの期待に応えるだけでなく、企業の長期的な成長や競争力向上にもつながります

ESGは企業のリスク管理やブランド価値の向上に寄与するだけでなく、持続可能な社会の実現に向けた重要な活動です。ESGの普及が、より持続可能で豊かな社会の実現に寄与することが期待されます。

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