「法改正を契機に広がるアクセシビリティ対応の取り組み – コメ兵ホールディングスの事例」
2024/12/20
目次
- 1 ウェブアクセシビリティ対応をしようと思ったきっかけを教えてください。
- 2 自社エンジニアなど、自社でのウェブアクセシビリティ対応は検討しましたか?
- 3 ユニウェブのような他社のアクセシビリティツールを検討しましたか?
- 4 ユニウェブを選択/導入した理由を教えてください。
- 5 ユニウェブを導入するまでの日数や工数について教えてください。
- 6 御社では障害者雇用を推進されていると思いますが、実際にはどのような活動を行っているのか教えてください。
- 7 ウェブアクセシビリティ対応をして同業他社などからの反響はありましたか?
- 8 社内で導入を進めていく上で障壁はありましたか? どのように上進していったかも教えていただけますと幸いです。
- 9 今後、目指していることはありますか?
ウェブアクセシビリティ対応をしようと思ったきっかけを教えてください。
2023年2月ごろ、取引先との商談中に「法改正があるのをご存じですか?」と話があり、その際、具体的な対応策を解説するウェビナーが開催されることも案内されました。また、「よろしければ、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?」と提案を受け、この法改正が当社の業務にどのような影響を与えるのか、そしてどのように準備を進めるべきかを深く考えるきっかけとなりました。
この話を受けて、これは事業会社であるコメ兵だけの問題ではなく、親会社であるホールディングス全体に影響を与える可能性があると考え、速やかに社内で情報を共有しました。法改正が業務運営にどのような影響を及ぼすか、どの部門がどのような対応を取るべきかを社内で検討し、広範囲に対応を進めることが重要であると判断しました。
*障害者差別解消法:2024年4月より法改正
自社エンジニアなど、自社でのウェブアクセシビリティ対応は検討しましたか?
当初、私はユニウェブのようなサービスの存在を知らなかったため、ウェブサイトの対応を自社で進める場合に何をしなければならないのかを模索していました。例えば、「この部分は必須で対応が必要です」といった基本的な指示や、「アクセシビリティにはレベルがあり、最低限の基準を満たす必要があります。その上で、より高い基準に対応することも可能です」といった説明をさまざまに受けました。こうした情報を踏まえ、対応が必須であることは理解できたものの、具体的にどのように進めるべきか非常に悩んでいました。
特に、ECサイトに関しては大幅な改修が必要になるかもしれないという懸念がありました。そのため、かなりの費用がかかるのではないかという不安が生じ、どこまで手を加え、どの程度のコストをかけるべきかについて具体的な見通しが立たず、どう進めるべきか非常に迷っていました。
これまでにも、ウェブアクセシビリティに関して複数の会社から話を聞く機会がありました。しかし、主にサイトの改修に焦点が当てられており、すぐに決定できるものではないと感じている状況が続いていました。サイトの大規模な改修は、技術的な対応だけでなく、コストやリソースの面でも大きな影響を及ぼすため、慎重な判断が求められます。
このような状況の中で、どのタイミングで対応を進めるべきか、またどの範囲まで改修を行うべきかについて社内で議論を重ねる必要があります。アクセシビリティ対応の重要性は理解していますが、実際の対応に踏み切るためには、さらなる情報や具体的な方針が必要だと感じています。
ユニウェブのような他社のアクセシビリティツールを検討しましたか?
他社のアクセシビリティツールについては、主にコンサルティング会社から「トータルでサポートします」といった提案も受けていました。また、取引先を通じて法務からユニウェブに近いサービスの提案もいくつかありましたが、その段階ではどのように進めるべきか迷っていたのが正直なところです。さらに、自社で対応する場合、おそらく最低限のレベルでコーポレートサイトだけを対応することになりそうでした。
ユニウェブを選択/導入した理由を教えてください。
ユニウェブのサービスは、タグを入れるだけというシンプルなタイプで、これ以上の選択肢はないと感じました。同じタイプのサービスと比較した際、管理画面の使いやすさや、実際にボタンを押したときの挙動など、UIが優れていると感じたため、ユニウェブに決めました。
また、これまでサイトを利用していた方が変わらず使える、もしくは使いやすい状態であることが非常に重要だと思います。大きく変更してどちらかを優先することは、やはり適切ではないと考えています。そういった意味では、ユニウェブの導入方法は非常にスムーズで、私たちにとって受け入れやすい状況でした。実際に導入できたことは非常に良かったと感じています。
適切な時期に最適なソリューションに出会えたことは、本当に助かりました。
ユニウェブを導入するまでの日数や工数について教えてください。
タグを入れるだけなので、作業自体は外部のベンダーにお願いしていますが、全く負担はありませんでした。そのため、何かでつまずくようなことも全くなく、本当にすぐに終わりました。
御社では障害者雇用を推進されていると思いますが、実際にはどのような活動を行っているのか教えてください。
2012年頃から車いすバスケットボールのチームを支援し、障害者スポーツへの積極的な取り組みを続けています。アクセシビリティに関する話をいただいた際には、特例子会社の設立のタイミングも重なり、障害者の方々が分け隔てなく一緒に働ける環境の整備に力を入れています。このため、グループ全体としてこうした支援活動に前向きに参加しています。
また、店頭での寄付活動にも協力しており、盲導犬と共に募金活動を行うなど、私たちができる範囲で様々な支援を続けてきました。その結果、障害者差別解消法が法改正された際には、ウェブアクセシビリティを考慮する必要があることや、店頭スタッフが障害者の方々にどのように対応するかについても取り組む必要があると認識しています。このため、必要な対応をスムーズに進めることができています。
ウェブアクセシビリティ対応をして同業他社などからの反響はありましたか?
導入当初は、多くの企業がウェブアクセシビリティについてまだ認識していないか、対応が進んでいない時期でした。そのため、同業他社からの反響は特にありませんでした。しかし、当社がユニウェブを導入していることを知らずに営業していた代理店の方々がいくつかいらっしゃり、彼らはその事実を知って驚いていました。特に、「コーポレートサイトだけで済ませる企業が多い中で、ECサイトも展開しているのですね」といった反応をいただくことが多かったです。
社内で導入を進めていく上で障壁はありましたか? どのように上進していったかも教えていただけますと幸いです。
実際のところ、導入にかかる費用はそれほど大きなコストではないと感じています。たった一行のタグを追加するだけでこの費用で実現できるのであれば、ぜひ取り組む価値があると思います。そのため、私たちはスムーズに進めることができました。
今後、目指していることはありますか?
当然、さまざまな方々が使いやすいサイトを目指すことが大前提です。たとえば、ホールディングスのコーポレートサイトにはすでにユニウェブを導入していますが、IRサイトや現在整備中のサステナビリティ推進サイトにはまだ導入が進んでいません。そのため、今後、ユニウェブをご利用いただいているお客様のレポートを参考に、必要性を感じた場合は検討を進めていく必要があると考えています。
また、当社は店舗主体のビジネスであるため、オンラインと店舗のつながりが非常に密接です。オンラインはカタログのような役割を果たしており、これがきっかけで店舗に足を運ぶお客様も多いと感じています。逆に、店舗のスタッフがオンライン上でウェブアクセシビリティの機能についてどれだけ理解しているかも重要なポイントです。障害者や高齢者のお客様が「サイトが見にくい」と感じている場合、ユニウェブの機能を使っていただくことで、より快適に利用できることを伝えられるかどうかが重要となります。
そのため、ユニウェブの導入にあたり、スタッフ全員がその機能を理解し、さまざまなお客様におすすめできるよう努めます。また、障害者の方だけでなく、すべての利用者にとって便利な機能があることを知っていただき、より多くの方に快適にサイトを利用していただけるよう努めていきたいと考えています。このようなアプローチが、より多くの方々にとって利便性向上につながると信じています。
株式会社コメ兵ホールディングス
IR・広報部長 吉田 浩之(写真右)
現在、IR・広報部とサステナビリティ推進部を兼務し、決算開示資料の作成や投資家とのコミュニケーション、グループ広報、気候変動対応をはじめとしたサステナビリティ関連全般を担当しています。
株式会社コメ兵
オンライン事業部長 兼 カスタマーサクセス部長 甲斐 真司(写真左)
主にECサイトの運営を担当しており、広告や販促施策はマーケティング部が行っているため、それ以外の全般を担当しています。具体的には、EC事業の計画策定から実行、ツールの導入、UI/UXの改善に取り組んでいます。
《ユニウェブ導入サイト》
株式会社コメ兵ホールディングスおよび株式会社コメ兵が運営する、コーポレートサイト並びにKOMEHYO ONLINEに、ウェブアクセシビリティツール「ユニウェブ」が導入されています。
アイコンをクリックすると、アクセシビリティメニューが表示され、文字を読み上げてくれる部分リーダーや画面のコントラスト切り替えなどがボタン1つで可能となっております。
- コメ兵HD コーポレートサイト:https://komehyohds.com/
- KOMEHYO コーポレートサイト:https://www.komehyo.co.jp/
- KOMEHYO ONLINE:https://komehyo.jp/
株式会社コメ兵ホールディングス
代表者 :代表取締役社長執行役員 石原 卓児
所在地 :愛知県名古屋市中区大須三丁目25番31号
URL :https://komehyohds.com/
事業内容 :ブランド・ファッション事業とタイヤ・ホイール事業等をおこなうグループの経営計画・事業推進サポート・管理など
株式会社コメ兵
代表者 :代表取締役社長 石原 卓児
所在地 :愛知県名古屋市中区大須三丁目25番31号
URL :https://www.komehyo.co.jp/
事業内容 :中古品・新品の宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、きもの、カメラ、楽器などの仕入・販売
ユニウェブについて
ユニウェブは、すべてのウェブサービスにコード一行を追加するだけで「導入当日」にウェブアクセシビリティ機能を提供します。
すべての人に平等なウェブサイト・サービスを目指すために、視覚に障害がある人、怪我をして一時的に手が使えなくなった人など、様々な状況にいる利用者が音声読み上げやコントラスト変更などの多様な使い方を通じて、正しい情報を理解できる状態にしたいと考えています。