ユニウェブ

信頼と利便性を追求する「カメラのキタムラ」のウェブアクセシビリティ対応

2024/09/09

ウェブアクセシビリティ対応をしようと思ったきっかけを教えてください

昨年11月頃に障害者差別解消法の改正があるということを知った際、これは会社に影響を与える可能性が高いと考え対応すべきだと感じました。しかし、どの程度の重要性を持たせるべきか、具体的にどのように対応すればよいかは専門家に相談しないと分からなかったため、幅広く情報収集は行っていました。

カメラのキタムラは高齢のお客さまが多いこともあり、ウェブサイトに関しては「見やすさ」や「使いやすさ」を常に重視しています。私がEC事業部に異動した際も、この点を大切にしつつ、会員情報やクレジットカード情報を入力せずとも、わずか4クリックで購入できるようなシンプルで利便性の高い仕組みを導入しました。

ECサイトでは、顧客のニーズは大きく二つあり、一つは「便利に安く買いたい」という点、もう一つは「安心して購入したい」という点です。カメラのキタムラでは、特にカメラという商品の特性上、安心感を重視するお客さまが多いと考えています。カメラは決して安価な商品ではないため、単に価格の安さを売りにするのではなく、安心性を徹底的に打ち出すことを戦略の柱としました。幸い、全国に1,000店舗以上の実店舗があるため、実際に足を運んでいただき、直接商品を確認していただけることで、安心感を提供することができます。また、ECサイトでは4クリックで簡単に購入できる仕組みを整えることで、オンラインショッピングの敷居を下げ、利便性と安心感のバランスを保ちながら、より多くのお客さまに選ばれるサイト作りを目指しています。

このように、ECと実店舗の双方で安心性を強みとして打ち出す戦略が、特に高齢者を含む多様な顧客層に適していると考えています。そして、アクセシビリティ対応もこの安心感をさらに強化する取り組みの一環であり、早急に対応しようと判断しました。

 

自社エンジニアなど、自社でのウェブアクセシビリティ対応は検討しましたか?

まず弊社では業務をノンコア業務とコア業務に区別しており、特に自社で対応すべきかどうかを、対応工数や社会の変化の速度を基準に検討しています。競争領域で、かつ対応工数が多いものについては、自社内で対応することが一般的です。

しかし、アクセシビリティ対応に関しては技術やガイドラインが日々進化していて、定期的なアップデートが求められる分野ですが、社内で継続的な対応を行うリソースが十分に確保できていないという現状がありました。なので、初めから自社で対応するという選択肢は考えず、ツールを導入して専門的かつ迅速に対応できる体制を整える方針を取りました。

 

ユニウェブのような他社のアクセシビリティツールを検討しましたか?

ウェブアクセシビリティサポートツールを導入することは当初から決めていたため、最終的な選定にあたっては、ユニウェブを含む4社のツールを比較・検討しました。

 

ユニウェブを知ったきっかけ、導入した理由を教えてください。

ユニウェブを知ったきっかけは、代表の野尻さんと経営者コミュニティで知り合ったことでした。その際、野尻さんがウェブアクセシビリティについて非常に熱く語られていたことが強く印象に残っています。その後、ユニウェブのサービスに触れる機会があり、簡単にアクセシビリティ対応ができるという点がとても良いなと思いました。

さらに、ユニウェブは単に簡単な導入だけでなく、ブランドイメージを損なわないように表示されるアイコンのサイズやカラーを、各サイトごとにカスタマイズできる点が非常に優れていると感じました。

また、ユニウェブは常に機能をアップデートしており、時代やユーザーのニーズに合わせて進化している点も大きな魅力です。このため、お客さまにとってさらに使いやすいウェブサイトを提供できると確信し、導入を決めました。ユニウェブの取り組みは、私たちのブランド価値を高め、顧客満足度の向上に貢献できるものだと思っています。

 

障害者雇用に積極的に取り組んでいると思いますが、実際にユニウェブを導入してから社内の反響などはありましたか?

弊社は店舗を中心に障がい者雇用に取り組んでいます。本社のコールセンターや経理、システム、営業、総務など、あらゆる部署においても、障がいのある従業員が多方面で活躍しております。その人の障がいに合わせた業務やサポートを行い、10年以上継続して勤務いただいている方も多くいらっしゃいます。

アクセシビリティ対応を行うことを社内でアナウンスした際、障害がある従業員だけでなく、多くの社員からポジティブなフィードバックを受けました。文字サイズの変更や音声読み上げ機能など、アクセシビリティ向上のための取り組みが、日常的に利用している従業員にとっても非常に便利であり、業務効率を高める役割を果たしているという声が挙がってきています。これにより、アクセシビリティ対応が一部の人だけのためではなく、全社的に利便性を向上させる施策であることが分かりました。

 

ウェブアクセシビリティ対応をして同業他社などからの反響はありましたか?

ウェブアクセシビリティ対応は業界内でも重要なテーマになりつつありますが、まだ多くの同業者が導入していない状況で、弊社が最も早く対応に着手できたことは大きな強みです。実際、アクセシビリティに対応したリリースを出した後、他の企業から「なぜアクセシビリティ対応を行ったのか」、また「社内でどうやってその合意を得たのか」といった具体的な相談を受けることがありました。

アクセシビリティ対応は単なる一企業の取り組みに留まらず、小売業全体に良い影響があると思っています。私たちの対応が他社への手本となり、業界全体の標準を引き上げることで、すべての消費者にとってより使いやすいサービス・サイトが広がると思います。結果として、業界全体がよりインクルーシブで、顧客に優しい環境を提供できるようになることが期待できると考えています。

 

ユニウェブを導入するまでの日数や工数について教えてください

はじめてお話をしてから社内調整をして4ヶ月ほどで導入をすることができました。
導入作業自体はとても短い期間で行うことができました。

 

今後、目指していることはありますか?

小売業において、従来のオペレーションは長年にわたり積み重ねられた経験と工夫の結晶です。全く否定することはなく、むしろその価値を尊重しつつ、デジタルの責任者として業務の再構築が必要だと感じています。現在のビジネス環境では、すべての業務をデジタルベースで最適化することが求められていますが、その中で人の手が加わることで得られる「安心感」や「魅力」は、消費者に対して大きな付加価値を生み出すと考えています。

例えば、デジタル化によって効率化された購買プロセスの中でも、店舗スタッフの温かい接客や、商品の説明、相談に応じる対応は、顧客との信頼関係を築き、リピーターを増やす重要な要素です。デジタルツールが迅速かつ正確な処理を行う一方で、そこに人間の心遣いや温もりを加えることで、顧客体験の質が一層高まります。

この逆の発想に基づき、デジタル化が業務の中心であることを前提に、どのように「人」の力を効果的に活かすかを再考することが、これからの小売業にとって重要だと思っています。デジタル技術による効率性と、人による魅力的な接点を融合させることで、次世代の小売業は新たなステージへと進化できると確信しています。

 

株式会社キタムラ
社長執行役員 柳沢 啓

1997年に株式会社キタムラに店舗スタッフとして入社、店長に昇格。その後、営業企画兼バイヤーを経て、2007年にEC事業部に異動。店舗とECを融合させた「店舗受け取り」など、ECサイトを再構築し、2008年にEC事業責任者へ。デジタルの観点から幅広く見ることになり、2024年4月に株式会社キタムラの代表取締役社長に就任。

 

《ユニウェブ導入サイト》

株式会社キタムラのコーポレートサイトの他、グループ企業である株式会社キタムラ、株式会社カメラのキタムラ、株式会社しまうまプリント、株式会社フォトクリエイト、株式会社ラボネットワーク、株式会社 ユー・シー・エスが運営する27サイトに導入されています。

アイコンをクリックすると、アクセシビリティメニューが表示され、文字を読み上げてくれる部分リーダーや画面のコントラスト切り替えなどがボタン1つで可能となっております。

 

株式会社キタムラ

所在地 :東京都新宿区西新宿6-3-1 新宿アイランドウイング
事業内容 :「カメラのキタムラ」「スタジオマリオ」等の事業の付加価値向上に繋がる事業・マーケティング・サプライチェーンなどの戦略企画・立案、実行支援および商品・サービスの開発

 

ユニウェブについて

ユニウェブは、すべてのウェブサービスにコード一行を追加するだけで「導入当日」にウェブアクセシビリティ機能を提供します。

すべての人に平等なウェブサイト・サービスを目指すために、視覚に障害がある人、怪我をして一時的に手が使えなくなった人など、様々な状況にいる利用者が音声読み上げやコントラスト変更などの多様な使い方を通じて、正しい情報を理解できる状態にしたいと考えています。

サイト:https://hellouniweb.com

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