ユニウェブ

FPTジャパンホールディングス(以後、FPTジャパン)が取り組む社会貢献とウェブアクセシビリティの実現

2024/12/27

これまでのご経歴、現在の業務内容について教えてください。

松川様:私のキャリアはデジタル系エージェンシーからスタートし、前職では精密機械メーカーでマーケティングコンサルタント、新規事業開発等の役割を兼務しておりました。そこで、総務省のIoTサービス創出支援事業の公募プロジェクトを獲得し、AIとセキュリティカメラを組み合わせ、危険な自然現象をとらえるセキュリティソリューションの開発に取り組んだことが、私とFPTの接点になりました。

危険な自然現象というのは、離岸流という日本の海岸線における水難事故の大半を占めるとされるもので、ひとたび離岸流に巻き込まれてしまうと、泳ぎに自信のある方でも流れに逆らって泳ぐことは難しいと言われています。プロジェクトにおいては、危険性の可視化と、危険性を把握できた際の対処の迅速化に応えるため、AI等の技術に精通したメンバー以外に、大学の教授や海辺の安全を守るライフセーバーの方々など多くの有識者の協力によって実現しました。当時のFPTの迅速な開発力と高い技術力には大変驚いたことを覚えています。

FPTに入社後、最初はお客様向けのコンサルティングサービスを提供していましたが、約3年前にジャパン本体のマーケティングを強化するという流れの中で、現在はマーケティングマネージャーの役割を担っています。

 

木村様:私は2022年にFPTジャパンに入社し、人事部で働き始めました。前職ではITクラウドベンダーで人事労務や給与管理、給与振込などのペイロール業務に従事し、システム導入やカスタマーサクセスも担当していました。その経験から人事業務に精通し、社内の人事部門に携わりたいと考えていました。
FPTジャパンに入社後は人事労務全般に加え、社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進にも関わり、ITチームと連携して業務の効率化を図ってきました。また、障害者雇用の担当部門にも関わり、横浜や新潟にある屋内型農園で働く社員の管理やサポートも行ってきました。

昨年からは、ダイバーシティ&インクルージョン(DEI)委員会の一員として、ダイバーシティに関するプロジェクトにも参加しています。そして、今年1月にCPO直轄のサステナビリティ推進部が設立され、私はプロジェクトマネージャーとして障害者雇用、CSR、DEI活動の3つの柱を統括しています。現在、社内での障害者雇用拡大や、ITツールを活用したアクセシビリティ向上の取り組みを進めており、様々な障害者雇用プログラムに関わっています。

 

熊木様:私は2014年にFPTに入社し、最初の約2〜3年は人事部に所属していました。当時、日本人の採用が初めて行われ、日本人社員は10名未満という状況でした。その後、マーケティング部での経験を経て役員秘書に就任し、役員のサポートに携わりました。役員秘書業務は、現在も継続して担当しており、役員がCMOに就任したことをきっかけに、昨年からはマーケティング関連の業務も増えています。

 

ウェブアクセシビリティについて知ったのはいつ頃ですか?

松川様:私は、前職でお客様向けのマーケティングコンサルタントをしていた頃より、ウェブアクセシビリティの重要性については、知識程度の理解はありました。
お客様にはグローバル企業が多かったのですが、アメリカではアクセシビリティが不十分だと訴訟問題に発展する事例もあることを引用しながら、取り組むこの重要性をご提案していたことがあります。

また、アクセシビリティにかかるエキスパートとして活躍している友人もいるため、彼の発信する内容などを見ながら、知識を深めていましたね。

 

木村様:私はiPhoneで文字を大きくする機能や、読み上げ機能くらいしか知らず、FPTジャパンのサイトにアクセシビリティツールが導入されたタイミングでウェブアクセシビリティについて知りました。

実は、FPTジャパンのウェブサイトにアクセシビリティ機能が搭載されていることも、正直気づいていませんでした。自社のホームページは普段あまり見る機会がなく、最近になって「こういう機能があるんだ」と驚いたくらいです。

 

熊木様:私も木村さんがおっしゃったように、スマートフォンでは確かにアクセシビリティに関する機能があることを認識していましたが、ウェブに関しては「文字の大きさが大中小に変更できる」くらいの認識しかありませんでした。今年になって、ウェブサイトにアクセシビリティ機能が搭載されたことを知り、改めてその重要性を認識しました。

 

ウェブアクセシビリティ対応をしようと思ったきっかけを教えてください。

松川様:私たちはベトナムに本社のある企業ですが、日本での事業展開にあたっては、国内の法規制に準拠していく必要があります。24年4月の法改正により、ウェブサイトのアクセシビリティ対応が義務化されることを念頭においた対策は考えていました。

 

自社でのアクセシビリティ対応は検討しましたか?

松川様:恐らく自社でできると思いますが、私たちのWebプラットフォームや共通コンポーネントを管理しているベトナム側のチームを巻き込む必要があり、グローバルサイト全体に影響があるような改修も発生し得るとなると、費用対効果が合わないことが想定されました。

ベトナム側にもUXチームはありますが、日本企業向けのアクセシビリティ対応実績は多くはないと考えたため、自社で完結させるプライオリティは低かったです。

 

ユニウェブを導入するにあたり、他社のアクセシビリティツールと比較・検討しましたか?

松川様:PRTIMESなどでアクセシビリティツールを検索し、いくつかの会社を比較しました。社名は忘れてしまいましたが、複数のツールを見て、各社とコンタクトを取って検討を行いました。

 

ユニウェブを導入した理由を教えてください。

松川様:ベトナム本社と一緒にウェブサイトのリニューアルプロジェクトを進めていた最中でしたので、日本側であまり自由に変更できない部分が多いことは理解していましたし、ページ数が非常に多いため、細かくチューニングするのは現実的ではありませんでした。また、日本製のツールを導入する際に意図通りに動作するかどうかは慎重に検証する必要がありました。そのため、検証期間を十分に確保できるところが良いなと思っていたんです。その点では、多大な配慮をいただいたと思います。

またユニウェブに決めた一番の理由は、お問合せをしてからの返事が早かったことが大きかったです。また、大手企業に導入されていること、大手メディアにも導入されており、トラフィックが多くても問題ないという点が安心に繋がりました。

 

ユニウェブを導入するにあたって、社内の合意を得るのは大変でしたか?

松川様:コーポレートサイトのトップページとサステナビリティ関連のページに限定してアクセシビリティツールの検証を行いました。
その間、毎週参加しているFPTジャパンのマネージャー会議や本社チームに対して「現在テスト中です」と報告しつつ、その目的や今後の計画を周知することでスムーズに本実装へ向かいました。

 

ユニウェブを実際に使った印象はどうですか?

木村様:ユニウェブが、行の高さや文字位置など細部にまで対応していることに感心しました。特に、視覚的な調整だけでなく、ADHDなど多様な障害にも対応している点が印象的です。私自身、障害者雇用に関わる中でその重要性を強く感じており、ウェブ上でもこれほど多くの設定が可能だというのは興味深かったです。

また、インターンや障害者の社員も「こんな機能があったんですね」と驚いていました。普段見慣れたサイトでも、こうしたツールが実装されていることに気づかないことも多いですが、実際に使ってもらうことで関心を持ってもらえたのは良かったです。

 

ユニウェブを導入するまでの日数や工数について教えてください。

松川様:導入は一瞬でしたね。ちゃんと理解がある人がやれば、Kiva社から発行されているコードをGoogleのタグマネージャーに貼り付けるだけなので導入すること自体は簡単です。
一度オンラインで使い方の手順などのサポートをいただいたので、しっかり理解しながら行うことができました。

 

障害者雇用をされているなかで、ユニウェブを実際に使っていただいた反応はどうでしたか?

木村様:FPTジャパンでは雇用の際にインターンを実施しているのですが、インターン実習では、障害のある方々にアクセシビリティツール「ユニウェブ」を実際に使ってもらい、使い勝手や印象を評価してもらっています。ADHDやうつ病など、精神的な障害を持つ方もいるため、一人ひとりの障害に応じた評価を集めています。具体的には、メニューを順番に操作しながら、視覚障害や精神障害の有無に応じてツールがどのように役立つか、ツールの第一印象や使いやすさをレビューしてもらっています。

また、障害者雇用の観点からも、この取り組みは非常に重要だと思っております。インターン生にツールを試してもらうことで、会社としての配慮を示し、障害者に適した環境が整っていることをアピールできるからです。特に日本語力を必要とする業務、たとえばメールの日本語チェックや文書のレビュー、Excelの入力作業などは、障害があっても在宅で取り組める仕事として適しています。FPTジャパンでは、こうした業務を通じて、障害を持つ社員が力を発揮できる場を提供し、社内のニーズに応じた人材の活用を進めています。

さらに、障害者の方々にユニウェブの使用感をヒアリングし、そのフィードバックを蓄積しています。これにより、今後のアクセシビリティ向上や社内ツールの改善に役立てることができると思っています。様々な障害を持つ方が実際に機能を試していただいており、多様なサンプルを集めることが可能なので、このフィードバックをKiva社にも活用していただければと思っています。

 

今後、目指していることはありますか?

松川様:私たちが目指すウェブサイトは、ステークホルダーが多い中でも、まずお客様にしっかりと伝えたい内容が、わかりやすく伝わり、それが評価につながるものにすること。最終的には、ウェブサイトを通じて多くのお問い合わせをいただけることを期待しています。

ターゲット層の多くは障害のない方だと考えていますが、障害を持つ方が求人応募時に会社を調べる際、使いづらさが原因で離脱しないよう、全ての方に使いやすく、見やすいサイトを作りたいと思います。また、コーポレート全体のサステナビリティや活動方針に沿うデジタルチャンネルとしても機能するサイトを目指していきたいと考えています。

 

木村様:FPTジャパンでは、CSP(Corporate Sustainability Program)方針に基づき、対外的なブランディング強化と人材確保を目指しています。私たちの会社は「人を大切にする」という理念を大事にしており、その一環として障害者が活躍できる環境を整え、昨年には同性パートナー制度も施行しました。この制度により、同性パートナーにも異性婚と同じ福利厚生が適用されるようになり、ダイバーシティとインクルージョンの取り組みが大きく進展しました。

ベトナム本社は、日本のような障害者雇用率の義務がなく、国籍や障害に関するダイバーシティが進んでいません。そのため、FPTジャパンは、ベトナム本社や他の海外拠点にとってダイバーシティの先進事例として期待されています。私たちは、会社全体が迅速に変革できる組織であり、障害者雇用やLGBTQ支援を推進しながら、スピード感を持って進めています。

アクセシビリティツールの導入は、その一例であり、私たちのウェブサイトは多くのステークホルダーにとって使いやすく、視覚的にもアクセスしやすいものにすることを目指しています。特に、障害者が求人情報を確認したり、応募しようとした際に、ウェブサイトの使いにくさが障害にならないよう配慮しています。これにより、FPTジャパンが障害者や多様な人々に配慮していることを対外的にアピールし、幅広い層から信頼を得られるサイトにしたいと考えています。

さらに、コーポレートのサステナビリティやダイバーシティに関する取り組みを、より強く推進していく必要があります。ベトナムでは障害者雇用が義務ではないため、FPTジャパンが先進的な例となり、今後、ベトナム本社もダイバーシティやインクルージョンに対する理解を深めるよう期待されています。そのため、FPTジャパンは、本社と連携しながら、今年から来年にかけて、より多くの人に受け入れられるデジタルチャンネルを構築し、サステナビリティやDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)の活動を拡大していく計画です。

このように、私たちは小さな一歩ずつ進めてきた取り組みをさらに加速させ、全社的に広げていくことで、より良い人材の確保や対外的な評価向上を目指しています。

 

熊木様:FPTジャパンでは、コロナウイルスの影響で孤児となってしまった子どもたちを支援するため、学校を設立しました。この学校は、彼らが大人になるまでの間、教育だけでなく生活面でも包括的にサポートする場として機能しています。子どもたちの将来を見据えた長期的な支援を提供し、安心して成長できる環境を整えることを目的としています。

さらに、弊社は植林活動などの環境保護を目的とした慈善事業にも積極的に取り組んでおり、これらの活動を通じて地域社会への貢献を目指しています。これらの慈善活動は単に日本国内に留まらず、ベトナムにも波及していくことを目指しており、日越両国のつながりを強化する一助となることを期待しています。

今後も、日本とベトナムをつなぐ架け橋として、子どもたちや地域社会のための活動を続けていくとともに、両国間での相互発展を目指し、さらなる取り組みを推進していきたいと考えています。


FPTジャパンホールディングス株式会社

設立:2005年11月
代表者:ド・ヴァン・カック (Do Van Khac)
所在地:東京都港区三田3丁目5−19 住友不動産東京三田ガーデンタワー33階
URL:https://fptsoftware.jp/about-us/fpt-japan
事業内容:

  • AI、AR/VR、ブロックチェーン、IoT、RPAといった次世代テクノロジーの開発
  • ヘルスケア、不動産、工場といった分野へのデジタルマニュファクチャリングの実現支援
  • データ分析、解析、DXをキーワードとしたコンサルティング

 

FPTジャパンホールディングス株式会社
ジャパンマーケティング&パブリックリレーション本部部長
松川 和正 (写真 左)

デジタル系エージェンシーでキャリアをスタートし、精密機械メーカーでマーケティングを担当。離岸流検知のAIプロジェクトをFPTと協力して推進した経験から、FPTに入社。現在は、ジャパン本体のマーケティングマネージャーとして業務に従事。

 

FPTジャパンホールディングス株式会社
コーポレートサステナビリティ推進部(CSP部)プロジェクトマネージャー
木村 克久 (写真 右)

ITクラウドベンダーで人事システム導入やカスタマーサクセスを担当し、2022年にFPTジャパンに入社。人事部で人事労務やデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に携わる。現在は、CPO直轄のサステナビリティ推進部のプロジェクトマネージャーとして、障害者雇用、CSR、DEI活動を統括。

 

FPTジャパンホールディングス株式会社
秘書兼ジャパンマーケティング&パブリックリレーション本部
熊木 淑乃 (写真 中央)

2014年にFPTに入社し、人事部に所属。その後、マーケティング部での業務を経て、役員秘書に就任。現在も役員秘書としてサポート業務を継続しながら、昨年からはマーケティング関連の業務にも携わる。

 

《ユニウェブ導入サイト》

FPTジャパンホールディングス株式会社のコーポレートサイト、サステナビリティサイトにユニウェブが導入されています。

FPTジャパン 企業情報サイト

アイコンをクリックすると、アクセシビリティメニューが表示され、文字を読み上げてくれる部分リーダーや画面のコントラスト切り替えなどがボタン1つで可能となっております。

FPTジャパン 企業情報サイト

 

ユニウェブについて

ユニウェブは、すべてのウェブサービスにコード一行を追加するだけで「導入当日」にウェブアクセシビリティ機能を提供します。

すべての人に平等なウェブサイト・サービスを目指すために、視覚に障害がある人、怪我をして一時的に手が使えなくなった人など、様々な状況にいる利用者が音声読み上げやコントラスト変更などの多様な使い方を通じて、正しい情報を理解できる状態にしたいと考えています。

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サイト:https://hellouniweb.com

年末年始休業のお知らせ: 2024年12月28日〜2025年1月5日まで休業となります
年末年始休業のお知らせ: 2024年12月28日〜2025年1月5日まで休業となります